それらの資格や条件は、大学が発行する大学要覧( catalog / bulletin / brochure)や学部別要覧( departmental brochure)、あるいは大学の公式サイトで調べることができます。
その際、一般的な大学の入学条件に加え、留学生の入学 条件( international student admissions)と学科別の入学条件についても確認しておく必要があります。
大学留学に課される基本的な資格・条件は以下のようなも のです。
1.学力
1)学業成績
日本と同様、アメリカの大学学部課程に入学するには、すでに高校を卒業して いる(あるいは卒業見込みである)こと、大学院課程に入学するには、大学を卒業 し(あるいは卒業見込みで)学士号を取得している(あるいは取得見込みである) ことが基本的な条件となっています。
さらに、アメリカの大学は、学業成績を審査 するために、成績証明書( transcript)の提出を義務付けており、大学学部課程に出願する際は高校以降、大学院に出願する際は大学以降のすべての教育機関で発 行された成績証明書を提出しなければなりません。
学生が一定水準以上の学業成績を修めていることは、アメリカの大学に入学す るための重要な要素のひとつで、合否の判定にも影響します。
一般的に、成績証 明書の学業成績を平均点で換算した GPA(Grade Point Average)が用いられ、大学学部課程ではその平均点がC以上( GPA 2.0以上)、大学院課程では、 B以上(GPA 3.0以上)であることが要求されます。
アメリカの成績評価法は、主に5段階評価(A、B、C、D、F)で行われています。以下のアメリカの5段階評価と日本の4段階評価のGPA換算表に基づいて、 自分のGPAを算出してみてください。
日本の高校や大学の成績評価方法は多様で、必ずしも下記4段階/5段階評価法に当てはまるとは限りませんが、できる限り換算表に対応させて GPAを算出してくださ い。
もし、出身校の成績評価法が下記の5段階や4段階と極端に異なる場合は、 評価方法や評価基準などの説明を成績証明書に書き加えるよう出身校に依頼して ください。ただし、成績の判定は、各大学が独自の換算方法により行うため、最終的な GPA計算は志望校に一任することになります。
アメリカの5段階評価
| 日本の4段階評価への換算表
|
成績の平均点(Grade Point Average/GPA)は次のように算出します。
GPA = (A科目の成績x単位数)+(B科目...)+... / 総単位数(全科目の単位の合計) |
【例】 (4ポイント制へ換算) 英 語 A or 優 → 4(ポイント) x 4 (単位) = 16 社会学 A or 優 → 4 x 4 = 16 化 学 B or 良 → 3 x 2 = 6 歴 史 C or 可 → 2 x 4 = 8 数 学 D or 不可 → 0 x 4 = 0 GPA = (16 + 16 + 6 + 8 + 0 ) / 18 = 2.55 |
高校中退者が大学留学を希望する場合、18歳に達していればコミュニティカレ ッジに入学できることがあります。できない場合でも、日本での「高等学校卒業程 度認定試験」に相当する General Educational Development(GED)を受けて、 合格すれば高校卒業と同等の資格を得ることができ、コミュニティカレッジのみならず、4年制大学へも進学が可能です。
■GED に関する問い合わせ先
General Educational Development Testing Service
American Council on Education
One Dupont Circle NW Washington, DC 20036-1193, U.S.A.
E-mail: help@GEDtestingservice.com
高校卒業資格を持たない日本人がアメリカへの大学留学を志す場合、「高等学校卒業程度認定試験」(旧大学入学資格検定)に合格していれば、 GED合格と同 様に受け入れてくれる大学があります。
この場合、合格の証明書を文部科学省に英文で発行してもらい、志望校に提出して審査を受けることになります。ただし、 すべてのアメリカの大学で認められるわけではありませんので、そのような資格で出願できるかどうかをあらかじめ志望校に問い合わせてみましょう。
■「高等学校卒業程度認定試験」各種証明書(英文)発行についての問い合わせ先
文部科学省 生涯学習政策局 生涯学習推進課 認定試験受付係
〒100-8959 東京都千代田区霞ヶ関3-2-2
TEL: 03-5253-4111
2)適性能力テスト
学業成績に加えて、多くの大学は適性能力テストの受験を要求し、その結果を 志願者の学力を測る判定材料にしています。このテスト結果は合格・不合格で出るのではなく点数で表されますが、何点以上取得すれば合格といった基準はありません。ただし、大学や専攻分野によっては、入学基準点の範囲を定めている場合があります。
アメリカの大学の入学審査は、願書、エッセイ、推薦状などのすべての出願書 類が総合的に判断され、合否を決定しますので、テストの点数のみでは入学の可能性は判断できません。英語を母国語としない留学生の適性能力テストの結果は、 英語圏の学生と比較した場合の語学のハンディを考慮して、英語力( TOEFLテストスコアなど)と組み合わせて判断されることもあります。
以下に必要なテストを説明していますが、どのテストの受験を要求するかは、 大学や専攻分野、入学方法(大学:2年制/4年制大学、新入学/編入学、大学 院 :修士課程/博士課程)によっても異なります。
また、いずれのテストも、テスト結果・スコアはテスト実施機関から大学へ直送してもらいます。大学に直送さ れたテスト結果・スコア( official score report/college reportなど)が正式なも のとみなされます。受験者本人用に送られたテスト結果・スコア (examinee score report/student reportなど )のコピーでは、正式とみなされませんので、ご留意 ください。
要求される適性能力テストは、大学や学部により異なります。それらは、大学 や学部ごとのウェブサイト、大学要覧や学部別要覧で調べ、最終的には入手し た願書と入学に関する説明書で確認してください。
テストの受験準備は、大学選択や願書の入手と並行して、あるいはそれ以前から着手する必要があります。受験に際しては、テスト願書や説明 書(bulletin)を参照し、それらを熟読した上で実際のテストに臨んでください。
A. 大学学部課程対象
大学学部課程(2・4年制大学)の入学に際し要求される適性能力テストには、 以下に説明する SATと ACTがあります。
アメリカの高校生は、 SAT/ACTを 高校2年生の春(後期)に一度受験し、2度目を高校 3年生の秋(前期)に受験する学生が多くなっています。
ひとつの大学が SAT/ACT両方のテストスコアを要求することはありません。 SATのテストスコアを要求する大学が多くなっ ていますが、志望校が SAT/ACTどちらのスコアを要求しているか、受験前に確認するとよいでしょう。
a)SAT(Scholastic Assessment Test)
The College Board が全米および世界各地(日本も含む)で実施するテストで、 SAT と SAT Subject Tests の2種類があります。
SAT の内容は、批評読解力、数学(代数・幾何学など)と writing(エッセイ) です。数学の部分では、電子卓上計算機の使用が認められています。受験料は $78(2011-12 年、SAT Fee $49 + International processing fee $29)です。各 セクションのスコアは、200-800 点の間で示されます。
SAT Subject Tests は、20 種の科目別テストから成り、1回に最高3科目まで受験できます。受験料は、受験科目により異なります。
SAT は年6回実施され、過去受験した直近6回分まの結果がすべて大学に通知されます(ただし、Score Choiceを利用することにより、希望するテスト結果を選んで大学に送付することも可能です) 。 SAT Subject Tests も年6回実施されますが、科目によっては実施されない受験日もあります。SAT とSAT Subject Tests を同日に受験することはできませ ん。
b)ACT(American College Test)
ACT Assessment Program は全米と世界各地(日本も含む)で実施している 多項式選択(multiple-choice)テストで、英語(書き方と文体)、数学(代数・幾 何学など)、読解力、理科(自然科学における分析、推理、問題解決等)の4科目から成ります。実施日が限られますが、Writing Test をオプション($15.50)と して追加できます。
受験料は、$61(2011-12 年、ACT $34 + International testing $27)です。 スコアは、1-36 点の間で示され、数回受験した場合は、その中から希望する テスト結果を選んで大学に送ることができます。
B. 大学院課程対象
a)GRE(Graduate Record Examinations)
主に学術系大学院(graduate school)の入学に際して要求されます。最近では、 経営大学院[ビジネススクール(business school)]でもGRE スコアを認めると ころが増えています。
Educational Testing Service(ETS)が行い、General Test (英語と数学と分析作文)と Subject Test(8種の専門分野別)から成ります。 General Test はコンピューターテスト形式とペーパーテスト形式で実施され、 2011 年8 月よりGRE revised General Test へ移行されました。
Subject Test は ペーパーテスト形式のみで実施されています。受験料(2011 年8 月1 日から 2012 年6 月30 日まで)は、General Test が $190、Subject Test が $160 です。 GRE revised General Test のスコアは、英語と数学が130-170 点、分析作文 が0-6点の間で示されます。
Subject Test のスコアは200-990 点の間で示 されます。スコアは受験から5年以内のものが有効で、その間に受験したすべ てのスコアが志望大学に送付されます。
※ 2012年7月より"The ScoreSelect option"が導入され、希望するテスト結果を選んで大学院に送付可能となりました。
※ GRE Subject Test のComputer Science Test が2013年4月のテストをもって終了となります。詳しくは、ETSのウェブサイトをご覧下さい。
b)GMAT(Graduate Management Admission Test)
経営大学院[ビジネススクール(business school)]の入学に際して要求され ます。テスト内容は、英語と数学、分析作文の3科目から成ります。
受験料は $250 です。英語と数学のスコアは0-60 点、分析作文のスコアは0-6点で 示され、それらを総合したスコアが換算されて、200-800点の間で示されます。 受験は31日につき1回で、最初に受験した試験を1回目として、その月から1 年間(12 カ月間)に通算5回まで受験することができます。スコアは、過去5年 以内に受験したものすべてが志望大学に送付されます。
2012 年6 月5 日からNext Generation GMAT が開始される予定です。新しい 形式のGMAT には、“Integrated Reasoning”というセクションが追加されます。 各種データ(グラフなど)を基に結果を解析させるような問題が出題されます。
最新の情報については、随時GMAT のオフィシャルサイトでご確認ください。
c)LSAT(Law School Admission Test)
法科大学院[ロースクール(law school)]の J.D. プログラムの入学に際して 要求されます。Law School Admission Council が年4回行い、読解力、分析力、 論理力、Writing から成ります。受験料は $139(2011年)です。スコアは120-180 点の間で示されます。
2.英語力
留学計画を立てる段階で、まず自分の英語力がどのぐらいのレベルにあるのかを知る必要があります。十分な英語力があるということは、留学のための大前提です。
当然のことながら、授業はすべて英語で行われるわけですから、アメリカ人学生と同等にやっていけるだけの英語能力が必要です。アメリカの大学では、論文の執筆やディスカッション、研究発表の機会も多く、高度な英語力が要求され ます。
このため、留学生に英語能力テストの受験を義務付け、その結果を入学審査の重要な判定材料としています。
この目的で行われる英語能力テストの中で最も広く用いられているものに、 ETS(Educational Testing Service)が行っている TOEFL(Test of English as a Foreign Language)があります。
a)TOEFL iBT(Test of English as a Foreign Language)テスト
TOEFLテストは、現在、日本では、インターネット版 TOEFL テスト(TOEFL iBT)が実施されています。
TOEFL iBT は、読む・聞く・話す・書く(reading, listening, speaking, writing)の4 技能を測定し、スコアレポートは各セクションと総合のスコアが表示されます。スコアは0-120 点のスケール(各セクション0-30 点)で、受験者はテスト日の約2週間後からオンライン上でスコアの確認ができます。
※ 現在、日本国内でのペーパー版TOEFL テスト(TOEFL PBT)の開催は予定されておりません。
一般的に、大学学部課程で必要なスコアは、TOEFL iBT 61 点(TOEFL PBT 500 点)以上、大学院課程では、TOEFL iBT 79-80 点(TOEFL PBT 550 点) 以上といわれています。
しかし、必要なスコアは、各大学や専攻分野により異な り、より高いスコアを要求する場合も数多くありますので、各大学の公式サイトや大学要覧でお調べください。
TOEFLテストスコアは、受験日から2 年間有効で、 希望するテスト結果を選んで大学に送ることができます。
TOEFL テストスコア換算表
※ 詳しい換算表はTOEFLテスト公式ウェブサイト内 をご覧ください
TOEFL iBT
|
TOEFL CBT
|
TOEFL PBT
|
120
|
300
|
677
|
114-115
|
280
|
650-653
|
100
|
250
|
600-603
|
79-80
|
213
|
550
|
61
|
173
|
500
|
45-46
|
133
|
450-453
|
※ 詳しい換算表はTOEFLテスト公式ウェブサイト内 をご覧ください
テス ト内容は、より実践的な状況で、どれだけ英語を使いこなせるかというコミュニ ケーション能力に焦点をあてたもので、実際の大学での講義や教授などとコミュニケーションを取る状況設定で測られます。
テスト時間は約4 時間-4 時間30 分 で、Reading(60-80 分)、Listening(60-90 分)、Speaking 約20 分、 Writing 50分で、一日ですべて受験することができます。テストは年間30-40回、 主に土曜・日曜に実施され、日本各地の大学・高校・専門学校など100 カ所以上 にテストセンターが設置されています。
■インターネット版TOEFLテスト(TOEFL iBT) 関連サイト
ETS TOEFL (Test of English as a Foreign Language)
国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部 TOEFL事業部
b) TOEFL以外の英語能力テスト
大学によっては、英検(実用英語技能検定)、IELTS(アイエルツ、International English Language Testing System)、PTE( Pearson Test of English)Academicを 英語力証明資格としても認める大学もあります。TOEFL 同様、必要な級/スコア は、各大学や専攻分野により異なり、より高い級/スコアを要求する場合も数多 くあります。
英検は、(財)日本英語検定協会により実施されている試験で、7 つの級(5-1 級)に分かれており、受験者は、自分の希望する級を受験します。
試験の結果は、 合否で判定されます。現在、約350 のアメリカの大学・大学院が英検を英語力証 明資格として認めており、一般的に、英検1 級はTOEFL iBT 100 点(PBT 600 点)、 準1級はTOEFL iBT 80 点(PBT 550 点)、2 級A*はTOEFL iBT 61点(PBT 500 点) の目安として利用されています。級にかかわらず、英検を海外教育機関に提出す る場合は、専用のスコアレポートを発行する必要がありますので、(財)日本英語 検定協会に手続きを依頼してください。
*2 級A とは、英検2 級を優秀な成績で合格した場合に付与される資格で、別途(財)日本英語検定協会へ の確認が必要となります。
IELTS(アイエルツ、International English Language Testing System)は、ブリ ティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS オーストラリア、ケンブリッジESOL によ り共同運営される英語運用能力試験で、世界で最も受験者が多い国際的な英語試 験です。
日本におけるIELTSは、2010年4月よりブリティッシュ・カウンシルと(財) 日本英語検定協会により共同運営されています。IELTS にはアカデミック・モジ ュールとジェネラル・トレーニングモジュールの2種類があります。一般的に、留 学目的の場合には、アカデミック・モジュールでの結果が必要です。テスト結果 は1-9 のバンドスコアで示されます。現在、アイビーリーグのほぼ全大学を含 む約3,000 のアメリカの大学・大学院がIELTS を英語力証明のスコアとして認め ており、一般的に、大学学部課程で必要なスコアは、IELTS 6.5 以上、大学院課程 では、IELTS 7.0 以上といわれています。
PTE(Pearson Test of English)Academic は、Pearson により実施されている 4 技能(スピーキング、ライティング、リーディング、リスニング)を測定するテス トで、コンピューターで受験します。4 技能のスキルに加えて、6 つの運用スキル (文法力、発話の流暢さ、発音、スペル、語彙力、文章構成力)もスコア化されるた め、自分の得意・不得意分野を特定し、効率的に学習することができます。現在、 アメリカで1,000 以上のプログラムがPTE Academic を英語力証明のスコアとし て認めています。
スコアは 10-90 点のスケールです。各学校によりますが、多 くの場合、大学学部課程では43 -70 点、大学院課程では53-88 点が必要です。 試験の申し込みはテスト日の前日まで予約可能で、受験から5 営業日以内にオン ライン上でスコアの確認ができます。また、テスト結果は受験後に点数を確認し てから満足のいくスコアレポートだけを志望校へ送付することができ、2 年間で あれば何校でも無料で送付可能です。
英検、IELTS および PTE Academic の詳細は、各試験実施団体のウェブサイト をご覧ください。
■関連サイト
(財)日本英語検定協会
「英検で海外留学」
「IELTS アイエルツについて」
PTE Pearson Test of English Academic
c) 条件付き入学制度
アメリカの大学(主に大学学部課程)は、英語力が大学の要求する基準に達しない留学生に、英語研修の受講を義務付けることを条件に入学を許可する条件付 き入学(conditional admission参照)制度を設けている大学があります。
また、大学によっては、入学後に大学独自の英語テストを留学生に実施し、英語力が不十分と判定した場合、たとえ英語能力テストのスコア(TOEFLなど)が高くても英語研修の受講を義務付けることもあります。
d)その他
出願の際に要求される英語能力テスト(TOEFLなど)の受験準備だけでなく、 大学入学後に実際に使える総合的な英語力を高めることも心がけてください。た とえば、カレッジスキルといわれる英文での論文の書き方、討議や研究発表の行 い方、ノートや情報のまとめ方などを身に付けておくと、実際留学してからも役立 ちます。
特にアメリカでは、引用については厳格 で、剽窃(他人の思想や文章、説などを自分のものとして盗用すること。)が犯罪であることを前もって承知しておく 必要があります。
また、日本人は、英語力に加え、文化の違いによるコミュニケーションの問題に 直面することがしばしばあります。授業の場では、質問や意見を述べるなどのク ラスへの積極的な参加態度が求められ、どれだけクラスに参加し貢献したかが成 績の評価にもかかわってきます。
前もって、アメリカの文化や価値観を知り、大学 生に期待されることを心得ておくことが肝要です。フルブライト・ジャパンが毎 年6月頃開催する渡米前オリエンテーションでは、英語力やコミュニケーションに関する留学経験者の体 験談を聞くことができます。
e)夏期英語研修およびオリエンテーションプログラムへの参加
多くのアメリカの大学では、秋学期から大学・大学院へ正規に入学する留学生を対象とした夏期英語研修プログラムや英語研修を兼ねたオリエンテーションプ ログラムを開催しています。それらのプログラムでは、集中的な英語研修に加え、 大学・大学院に入学後、正規の授業についていくための勉強の技術を教えたり、アメリカの社会や文化に適応するためのコースが提供されています。
英語研修プログラムは、アメリカでさまざまな大学や機関が提供しています。 英語の条件付き入学などで、大学指定の英語研修プログラムの受講が義務付けられている場合を除き、自主的に受講する場合は、必ずしも秋学期から正規に入学 する大学の英語研修を受講する必要はなく、ご自分の希望でプログラムを選択することができます。
プログラムにより、開始時期や期間、費用、プログラム内容が異なりますので、ご自分の希望に合ったプログラムを選択してください。たとえば、大学院に入学する方のための準備コース、特定の専門分野を学ぶ方のための 基礎知識や専門用語と英語を兼ね備えたプログラム、アメリカの文化や社会に触 れる経験も含めアメリカ適応のための英語研修などさまざまです。英語研修プロ グラムを選択するための一般的な情報は、独立行政法人日本学生支援機構・留学情報センターが作成している「英語研修の手引」の学校選択のポイントも参考に してください。
英語研修プログラムに参加する場合も、大学への出願と同様、できるだけ早く手続きを開始し、少なくとも始まる3カ月前には学校に入学の申し込みをする必要があります。最も多くの方が留学する夏の期間は、ビザ申請も込み合い、取得に時間を要しますので、それを見積もった早めの計画を心がけてください。
英語研修プログラムのウェブサイトには、入学のための必要事項が記載され、願書などもウェブサイト上から入手できます。英語研修に関しては、定員に達しない限り、入学願書と財政能力証明書の提出で入学が認められます。
学生(F-1)ビザで渡米し、大学へ入学する前に英語研修を受講する方は、英語研修プログラムの方から I-20を発行してもらい、最初に入学する学校である英語研修の I-20 でF-1 ビザを申請します。ビザ申請書に記入するアメリカ滞在期間は、 正規に大学で学ぶ期間も含めて記入し、ビザ申請時点で、大学からの入学許可書が送られている場合は、そのコピーも添付するとよいでしょう。ビザに記載されるのは、最初の英語研修プログラム名となりますが、渡米後、アメリカ国内で学校変更手続きを行うことで、英語研修後も滞在許可期間を延長することができます。
3.経済力
アメリカ留学に必要な経費は大学により異なりますが、往復の旅費を除いて1 学年間(9カ月)に約1万-7万ドルかかります。それを負担できる財政証明があって初めて、大学は最終的な入学許可証を発行します。また財政証明は、ビザ申請の際にも必要です。従って、留学を実現するために、費用をどう賄うかを綿密かつ具体的に検討し、しっかりとした見通しを立ててください。
留学の必要経費は大別して、 1)往復旅費 2) 授業料と大学に支払う諸経費(日本の大学にあるような「入学金」はあり ません) 3)教科書、文房具代 4)部屋代、食費 5)医療保険代 6)雑費などがあります。
1)旅費については留学先により差がありますが、飛行機を利用するとして最 低1,000 ドル以上は見積もっておく必要があります。
2)授業料については、公立大学の場合、その州の住民以外の学生(non-resident、留学生も該当する)は、通常その州の住民(resident)より、1.5-3倍の授業料(out of state fee)を払わなければなりません。
3)以下の経費も大学によって異なり、留学先がどのような地 域か、学生寮に住むかアパートか、外食するか自炊かなど生活のしかたによって もかなり出費額が違います。
1学年間の諸経費の目安は、次の表が参考になりますが、各大学ごとの実際の必要経費は、大学のウェブサイトや大学要覧で確認してください。
なお、1学年間の諸経費には、夏期休暇中の費用が含まれていないことに注意してください。
また、部屋代・食費が毎年4-5%値上がりするのに加え、最近では授業料が大幅に値上がりしていますので、それを考慮して見積もる必要もあり ます(2012-13年平均値上げ率(大学学部課程):私立4年制─ 4.2%、州立4年制 ─ 4.2%、州立2年制─ 5.8%)。
大学学部課程 1学年間(9カ月)の平均留学経費(2012-13) Average Estimated Undergraduate Budgets 2012-13
*In-state料金。Out-of-state(留学生含む)はこの費用の2~3倍。 |
大学院課程 1学年間の平均留学経費(2007-08年) (授業料、大学諸経費、教科書代、生活費、雑費の合計) The annual total price of attendance for full-time/full-year students (The total cost of tuition, fees, books, educational supplies, living expenses, and other education-related charges)
|
1)奨学金制度
A. 日本国内で公募されている奨学金
「アメリカ留学奨学金制度一覧」を参照し、応募方法の詳細は、各奨学金団体に照会してください。これらの奨学金は、留学時期の1年以上前に締 め切られることが多いため、早め(留学の約1年半前まで)に問い合わせて情報を入手してください。また、すでに渡米してしまった人は対象外(例:フルブライト奨学金)となる場合もありますので、ご留意ください。
地方自治体によっては、住民などを対象とした海外留学助成を行っている場 合があります。詳しくは、日本学生支援機構「海外留学奨学金パンフレット」 内「地方自治体(国際交流 団体を含む)奨学金」を参照してください。
B. アメリカの大学の奨学金
奨学金の有無は、大学要覧やサイト、奨学金の参考図書で調べることができます。奨学金受給希望者は、前年度の8月-10 月頃(願書入手と同時期)に、 大学の奨学金に携わるオフィス(financial aid office)や留学生オフィス (international student office)に直接問い合わせて情報を収集してください。
■大学学部課程
財政援助(Financial Aid) は大きく“Need-based”と“Merit-based”の2 つ に分けることが出来ます。“Need-based aid”とは、経済的に困難があるとみなされる学生に対して与えられる財政援助のことを示します。“Merit aid”とは、 秀でた能力(学業成績、芸術的/身体的能力、リーダーシップなど)を有する学生に支給される財政援助を指します。
留学生に対する奨学金は、入学後に優秀な成績をおさめた学生を対象に、2年目以降に支給される“merit aid”のケースが多く、留学生が1年目から奨学金を得るのは難しいのが現状です。支給額はさまざまで、授業料が免除になる場合や、授業料と諸経費、あるいは授業料、諸経費と生活費の一部が支払われる場合などがあります。ただし、留学に必要な費用はほとんどの場合、大学からの奨学金だけでは賄えません。
大学学部課程では大学院に比べて奨学金が一般的に少ないといわれていま す。積極的に留学生を受け入れたい大学は、学部課程でも優秀な留学生に、例外的に1 年目から奨学金が支給されることがありますが、ほとんどが一部支給 (例えば、年間5000 ドルなど)で、全額支給されることは稀です。入学難易度が高い大学の中には、“need-blind admissions”(full needとも呼ばれる)といって、 財政能力(家庭の経済状況)を合否の判定材料に使用せず、合否決定後、財政援助が必要とみなされた場合には、必要に応じた財政援助が与えられるという 入学制度を設けている大学もあります。“Need-blind admissions”は、留学生に対しては適応されない大学もありますので、留意して下さい。
優れた学生スポーツ選手に対し給付される奨学金をAthletic (Sports) scholarshipsといいます。 Athletic (Sports) scholarshipsは、他の”merit aid” scholarshipsと同様に、4年間保証されるものではなく、また支給額もさまざまで、ほとんどの場合、大学からの奨学金だけでは留学費用を賄えません。 Athletic (Sports) scholarshipsの審査基準は、スポーツ能力だけでなく、学力(学業成績およびSATまたはACTスコア)なども含まれます。
■ 関連サイト
米国国務省(U.S. Department of State) EducationUSA
“AthleticScholarships”
“EdUSA Connects Sessions” → “Finance your studies”の項目下に収録されているEdUSA Connects Webinar〔オンラインセミナー(英語)〕の”Intro to Sports Scholarship”と“Sports Scholarships for International Students”を参照のこと。
National Collegiate Athletic Association (NCAA)
NCAA Eligibility Center Online
National Association of Intercollegiate Athletics (NAIA)
National Junior College Athletic Association (NJCAA)
College Coaches Online
beRecruited
■大学院課程
アメリカでは、合格した大学院から提示される財政援助案(financial package)を相互比較した上で、最終的に入学する大学院を選ぶことが一般的 です。大学院課程で支給される奨学金は、主にアシスタントシップとフェロー シップの2種類があります。
a)アシスタントシップ
専攻に関連する分野で、助手として週10~20時間程度研究や授業、事務の手伝いをし、学費援助のための報酬を得る制度のことで、3つに大別されます。
Teaching Assistant(TA):授業の手伝いや試験の採点など教職に関連した仕事を行なう。
Research Assistant(RA):助手として教授の研究・実験などを手伝う。
Administrative Assistant:留学生課や学事課など、大学の事務所で働く。
b)フェローシップ
プログラムによってはすべての博士課程入学者に与えられるもので、仕事内容は上記のアシスタントシップと同様の場合があります。また、修士・博士課程とも成績優秀な学生に与えられる奨学金を指すこともあります。その場合、仕事は義務付けられないことが多いようです。支給額などの詳細は、直接大学院に問い合わせてお調べください。
C. アメリカの研究所や助成団体、民間機関などによる奨学金
各奨学金の制度により、受給対象となる人物、グループ、専攻分野等が定められていたり(たとえば、ジャーナリスト、工学専攻者、留学生、日系アメリカ人など)、研究課題が特定されていたりします。これらの奨学金はいずれも、アメリカ人学生・留学生を問わず有能な学生が選考の対象となります。奨学金の概要は、参考図書で調べたり、フルブライト・ジャパンのサイトにある「アメリカ学会・分野別検索」から専門分野別協会( professional association)などにアクセスしたりして情報を収集し、詳細は各機関へ直接問い合わせてください。
■奨学金関連英文参考図書・奨学金関連サイトについては「FAQ 奨学金について」をご参照下さい。
2)アルバイト
アメリカでアルバイトが許可されるか否か、あるいは許可される場合にどのような条件が付けられるかは、アメリカ国内での滞在資格の種類によって異なります。
学生(F-1)滞在資格保持者は、学期中週20時間以内、休暇中はフルタイムで、キャンパス内のアルバイトが認められています。ただし、アルバイトをした場合も、常にフルタイムの学生として勉学し、それなりの成績も維持しなければなりません。キャンパス外でのアルバイトは特別な許可が必要で、予期せぬ経済状況の変更や国際団体で働くなど限られた条件においてのみ可能です。
しかし、たとえ許可が下りても、アルバイトで得られる収入はわずかなものですし、学期中は週20時間までという限度がありますから、これをあてにした資金計画を立てることは非常に危険です。
また語学のハンディキャップを背負って勉強するうえ、さらにアルバイトが加わると、学業との両立が大変難しくなります。特に1年目は学業についていくだけでも大変ですから、少なくとも最初の1年間は学業に専念し、働かなくてもまかなえるだけの資金を準備しておくことが好ましいでしょう。
交流訪問者(J-1)滞在資格保持者は、キャンパス内のアルバイトは入学許可証(DS-2019)を発行したスポンサーの許可が必要です。キャンパス外での雇用は、J-1ビザ取得後に予想できない緊急かつ深刻な経済的必要性が起こった場合のみに許可されます。
3)プラクティカルトレーニング(Practical Training)/アカデミックトレーニング(Academic Training)
プラクティカルトレーニング( practical training)やアカデミックトレーニング (academic training)は、仕事や実習を通して学生が自分の専攻分野に直接関連 した分野で、実践的な経験を積むことを目的としています。これは、あくまでも学生としての実習で、就職とは異なります。
F-1の学生の実習はプラクティカルトレーニングと呼ばれ、プログラム進行中 に行う curricular practical training(以下 CPT)と、休暇中や修了後に行う optional practical training(以下 OPT)があります。一方、 J-1の学生の実習は academic trainingと呼ばれています。
トレーニングを実施するための許可は、 F-1の学生の場合、 CPTは留学生アド バイザー(大学の指定担当官)、OPTは移民局から、 J-1の学生はプログラムスポ ンサーから得ます。
これらのトレーニング形態は、パートタイムまたはフルタイム、単位の有無、報 酬の有無等、さまざまです。 CPTが必須になっているプログラムで、留学生でも 報酬が出されている場合にはそれを受領できますが、これも留学経費のごく一部にしかならない点に留意する必要があります。
4)産学協同教育プログラム(Cooperative Education - Curricular Practical Training)
大学で一定期間勉強した後、専攻分野に関連する企業で一定期間実地訓練を受けることが必須になっているプログラムです。企業から給与を受けることができ、いわゆる「働きながら学ぶ」プログラムです。留学生にも参加資格があり、給与を受けることが移民局から許可されています。
ただし、このプログラムでも最初の9カ月は勉学に専念することが必要です。 4年制大学で学士号を取得する場合、通常4年間かかりますが、産学協同教育プ ログラムに参加すると5年間以上かかることもあります。とはいえ、学士号取得と同時に職務経験も得られるため、就職活動などの際に、その就労経験をうまくア ピールできるとよいでしょう 。
5)就職
F-1/J-1の学生の就職は禁じられており、勉学が終了したらすみやかに帰国し なければなりません。外国人がアメリカで働くためには、就労が可能なビザ(短期 就労ビザ: H-1Bなど)を取得する必要がありますが、それらのビザの申請過程は 複雑で、しかも取得することは非常に難しいといわれています。
アメリカで就職できるのは、特殊な研究の成果が認められて研究職に就いたり、 日・英語ができた上で、専門分野に精通した特定の資格を持った人材を企業が求 めるというような具体的なケースに限られます。日本での就職情報に関して、日 本の就職情報会社や就職斡旋会社が、海外にいる日本人留学生に情報誌を送った り、就職説明会( job fair)を日本国内だけなく海外でも開催しています。
留学と就職は目的や方法が異なります。留学後に就職を希望する場合は、どの 国(アメリカ、日本等)を拠点に、どのような職種を希望するかに応じて、事前に 情報を収集しておくことが重要です。
前述のプラクティカル/アカデミックトレーニング、産学協同教育プログラム、大学内で働きながら学ぶプログラムはいずれも留学生の立場で学業の一環として働 くもので、就職ではありません。アルバイトやプラクティカル/アカデミックトレー ニング、産学協同教育プログラム等に参加するには特別な手続きが必要です。また、それに関する規則は変更される可能性がありますので、必ず留学生アドバイザーに、留学生の身分を保持して参加できるかどうかを事前に確認してください。 。
■アメリカでの職業に関する参考図書
Occupational Outlook Handbook
■就職に関する FAQ
4.コンピュータースキル
アメリカの大学生にとって、コンピューターを使いこなす能力は必須です。従来、論文の執筆やリサーチのために使用されていたコンピューターが、今ではその使用範囲が大幅に広げられ、コンピューターなしには、学生生活をスムーズに送ることが不可能といえるほど、重要なツールになっています。
現在、ほとんどの大学では、学生に電子メールアドレスを与え、学内のお知ら せや、教授・学生とのコミュニケーションが電子メールで頻繁に行われています。 授業に使われる教材( reading materialなど)が電子メールで発信されたり、授業のディスカッションや宿題の提出がメールを使って、あるいはウェブ上で行われたりすることもあります。また、インターネットを使っての検索は、図書室の利用と並行して、情報収集の重要な一手段となりました。
こうしたコンピューター化に伴い、大学ではさまざまな方法で学生がコンピュ ーターを活用できるようサポートしています。図書館やコンピューターセンターで、学生がコンピューターを自由に使える場を提供したり、キャンパス内で無線 LANが使用できるシステムになってきています。加えて、コンピューターの使い方を教えてくれるオリエンテーションも開催されています。また、自宅にいても、 コンピューター、モデム、ソフト、電話回線があれば、24時間いつでも大学の図書館やインターネットにアクセスできたり、寮によっては、すでに電話とは別に専用 回線が引かれているところもあります。
しかし、せっかくこのようなサービスが提供されていても、留学してからコンピ ューター能力を身に付けるのでは、実際に授業を遂行する上で支障をきたしかねません。ブラインドタッチ(キーボードを見ずに両手で入力すること)ができ、コ ンピューターを用いて、論文が書け、リサーチができ、電子メールやインターネッ トを使いこなせるといった最低限の能力を、事前に備えておくことが、アメリカ留学に必要な条件のひとつといえるでしょう。
5.その他の条件
「適性能力テスト」のところでも述べているように、アメリカの大学の合否はテス トの点数のみではなく、さまざまな出願書類を通じて総合的に判断されますので、 数字では表せない要素によって評価があがることもあります。出願の際には、 GPAやテストスコアなどが低い場合でも、下記のような要素や、そのほかアメリ カで勉強していく上での強みとなる点を、人物評価として推薦状やエッセイ等 (「推薦状」 「エッセイ」参照)でアピールすることができます。
・潜在的な資質、人間性、リーダーシップ能力
・目的意識、問題意識、将来展望
・課外活動や地域活動などの過去の経験
・学術活動や職業経験などの経歴
■ 関連サイト
College Board
“College Planning - Extracurriculars Matter ? To You and to Colleges”
“Volunteering: How Helping Others Helps You”
National Association for College Admission Counseling
“ Choosing High School Activities Wisely”
6.留学の適性・考慮すべき点
留学にあたっては、前述の必要条件のほかにも、適性や考慮すべき点がいくつかあります。
言語、風俗、習慣等の文化や行動様式の異なるアメリカの社会で、学問的にも社会的にも異文化適応できるように心身ともに健康であることも大切です。アメ リカの大学・大学院では、厳しい勉強に耐えうる強靭な精神力と体力が求められますので、自分自身に留学の適性があるかどうかについては、事前に十分検討してください。
また、留学することで、家族、学校、勤務先など、現在の生活環境の中での支障がないか、将来(留学後)の進路や就職など、長期的視野での将来展望も、留学を考えると同時に考慮しておくべき課題です。
留学というと留学費用がない、英語力などTOEFLスコアが足りない、
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