6.多様性・柔軟性
1) 多様性
アメリカの大学の大きな特徴は、その数の多さにあります。日本の大学は4年制・短大、高等専門学校を含めて1,224校(平成23年度)ですが、アメリカには4,495校の大学(2009-10年、この数字には、認定制度による認定を受けていない 大学も含まれています)が存在します。
出典:
Digest of Education Statistics 2010, National Center for Education Statistics
文部科学省「平成23 年度学校基本調査」
数の多さに加え、学生や社会のニーズに応じた教育内容の多様性もアメリカに おける大学の特徴のひとつです。その多彩なプログラムと質の高さは、世界中から高い評価を得ており、多くの国からの留学生が留学先としてアメリカの大学を選ぶ大きな要因ともなっています。
教育内容の多様性は、アメリカならではともいえる独特なプログラムが提供されていることや、教育方法の選択肢が多岐にわたることからも伺えます。
また学生もさまざまな層から構成されています。働きながら大学に通うパートタイム学生 *や、高校卒業後一定期間をおいて入学する学生も多く、多様なバックグラウンドを持った、幅広い年齢層の学生が在籍しています( *パートタイム学生:アメリカ人が対象。留学生はビザの関係上、必ずフルタイム学生として在籍する必要があり、パートタイムでの勉強は不可。)。
また、アメリカの大学では多様な学生の要望を満たすためにさまざまなサービスが提供され、留学生に対しては、各大学に専門の留学生アドバイザーが配置されるなど、ケア・サービスが充実しています。
アメリカの高等教育では、教育は商品のひとつで、大学はその商品の売り手、 学生はその買い手といった考え方があります。学生は、学費に見合った教育内容 とサービスを大学に期待し、アメリカの大学は、顧客である学生の要求を満たす ために、常に教育内容やキャンパスライフの質の向上を心がけているのです。
2) 柔軟性
学生のニーズに応じたカリキュラム構成や他大学との単位の互換などの柔軟性の高さも、アメリカの大学の特徴です。また、時代の変化に対応して、常に教育内容が見直され、プログラムを改訂・新設することで、高等教育と社会との関連を密接に保っています。たとえば最近では、従来の独立した学問分野のカテゴリー におさまらず、いくつかの分野と相互に関連し合った学際分野を扱うプログラム が、数多く新設されています。また、インターネットなどの情報通信やコンピュー ター技術の発達に伴って、遠隔教育( distance learning)や通信教育が高等教育 の現場に多角的に導入されており、それに伴い教育方法にも変化が見受けられます。
7.ランキング
アメリカには、大学を比較する共通の指標がないために日本で大学評価に使わ れているようなランキング(偏差値)は存在しません。これは中央で教育を統括す る機関の不在や認定制度の成り立ちとも関係していますが、各大学や学部がそれぞれ異なる特徴を持っているため、同じ基準に基づいたランキングが出せないのが現状だからです。
インターネット等でもランキングを発表しているサイトをい くつか閲覧できますが、その信憑性を客観的に判断することは困難です。もしランキングを参照する場合は、そのランキングが何に基づいて出されたランキング なのか(たとえば、人気投票、教授の論文の数、卒業生の就職率、施設の充実度な ど)を調べ、その指標が自分にとって重要な要素であるかどうかを見極めた上で、 利用してください。ただし、ランキングはあくまでひとつの観点を数字にしたものですので、それを大学選択の絶対的指標として用いると、大学選択を誤りかねません。
あくまでもランキングは参考程度で用いることが肝要でしょう。
このほかランキングという概念とは多少異なりますが、アメリカの大学に関す る参考図書の中には入学難易度により大学を大別して載せていることがありま す。
たとえば、 Barron's Profiles of American Collegesという参考図書では、most competitive(top 10-20%の学生が入学)、highly competitive(top 20-35%) 、very competitive(top 35-50%)、competitive(top 50-65%)、less competitive(top 65%)、noncompetitive(98%が入学)という入学時の難易度 で大学がグループ分けされています。しかし、前述した通り、アメリカには日本のような偏差値等の難易度を示す絶対的な指標は存在しませんので、この分け方も参考図書により異なり、普遍的なグループ分けとはいえません。
また、入学時の難易度と卒業率は必ずしも一致しませんので、入学しやすいからといって簡単に卒業できるとは限りません。
■ 関連サイト
National Association for College Admission Counseling
“College Rankings: What Do They Really Mean?”
“Guide to College Rankings”
“What Are College Rankings?”
University Library at University of Illinois at Urbana Champaign “College and University Rankings”
8.「選択の自由」と「自己責任」
日本における大学生は社会人と一線を画していますが、アメリカでの大学生は、 「自己責任の下に、個人で選択の判断が下せる大人」であることが期待されます。
アメリカ社会は多様なバックグラウンドを抱えた人々を擁しており、大学もある程度こうした社会の縮図としての機能を果たしています。そのため前述「多様性」でもふれているように、多様な学生のニーズに応じて、大学はさまざまな教育の機会を提供し、学生はその中から、自分に合った教育を選択することができます。
しかし、「個人の選択の自由」が与えられていると同時に、それには必ず「自己責任」が伴います。たとえば、アメリカの大学では、途中で専攻分野を変えたり、 他大学に編入するなど、自分の意志で進路を変えることが比較的自由にできますが、それに伴うリスクも自分で背負う心構えが必要です。
また一般にいわれる「アメリカの大学は、入学は易しく卒業は難しい」というのは、教育の門戸を幅広く開放する公立2年制大学であっても同様です。留学生も例外ではありませんので、自己責任の下に一定の成績を維持し、もし、必要な単位が取得できなければ、退学を余儀なくさせられることがあり得るといった自覚を持つことが肝要です。
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